いかに頑張らないか

心屋仁之助(こころや・じんのすけ)という人の本を初めて読みました。
「この人の本は全部読む」の著者に入れてもいかもしれないと思いました。
魂的には「荘子」系統ではないかと推測しています。
心屋(こころや)なんて珍しい(というより変な)名前なので、たぶんペンメームだと思うのですが、この人の本を読んで「目からウロコ」だったのです。

飛行機のファーストクラスは私の夢なのですが、ファーストクラスに乗る人とビジネスクラスに乗る人の違いを述べていたところは、かなり合点がいきました。
乗客を観察して分かったことは、ビジネスクラスは「自力」で乗り、ファーストクラスは「他力」で乗るのだそうです。

ビジネスクラスに乗る人は「仕事ができる人」が多く、実際フライト中も仕事をしている人が少なくないとのこと。
それに比べファーストクラスの乗客は、もうちょっと「ゆるく」、仕事を頑張るといったタイプの人たちではなかったらしいのです。
これは私自身が観察していて感じたことでもあります。

ビジネスクラスはエコノミークラスと比べて料金は4倍ぐらいではないでしょうか。
ファーストクラスはそれに輪をかけ、ビジネスクラスの4倍ぐらい。
ということは同じ飛行機に乗っていて、ファーストクラスはエコノミークラスの16倍の料金ということになります。

ハッキリ言って自分のお金でファーストクラスに乗ろうという人はいないのではないでしょうか。
会社のおカネか、国のおカネか、親のお金以外では、ちょっとファーストクラスに乗る気になれません。
汗水たらしたお金で乗れるのは精々ビジネスクラスまでです。

ファーストクラスに乗れる人は「他力」に依存するのが上手い人。
逆に言えばどうしてもその人を担ぎたくなってしまうオーラを持った人がファーストクラスに乗れるということなのです。
他力に「支えられ上手」な人がファーストクラス(の乗客と)いうわけであります。

私も今まで30代、40代と自力で精いっぱい頑張ってきました。
中小零細企業だと、社長が一番すぐれた営業マンなのは分かり切ったことです(社長が技術系の場合は別ですが)。
しかし還暦をすぎ、自分一人の頑張りパターンでは上手くいかないことも分かってきました。

社長が一人で頑張れば、スタッフは伸びないのです。
トップが少々ボヤッとしている方が組織は活性化するようなのです。
何でも自分がやらなければ気がすまないという人もいるだろうし、それはそれで非難されるようなことでは決してないと思いますが、「この人のために一生懸命働きたくなってしまう」人に自分がなるのも悪くないかもしれません。