上機嫌力

「凡事徹底」という言葉があります。
この言葉はほとんど鍵山秀三郎先生と同意語として使われている言葉でもあります。
ひょっとしたら鍵山先生が作られた言葉かもしれません。

「凡事徹底」を続けて行けば、明らかに人生が違ってきます。
イチローの言葉は難しいのですが、要は「凡事徹底」のことを述べているのだと思います。
凡事徹底を支えるものとして「勤勉」や「根気」があります。
ハッキリ言って勤勉でさえあれば、9割以上の確率で成功した人生が送れるはずです。

鍵山秀三郎先生は「凡事徹底」ですが、私は「凡事感謝」を提唱したいと思うのです。
いつものことが、いつものようにできるほど、有難くうれしいことはありません。
平凡な毎日の中に幸せがギュッと詰まっているのです。

普段は感謝もせずにそれが当たり前のように思っているのですが、その有難さは失った時に初めて分かるのです。
寝たきりでないことや、目が見えることなど、決して当たり前ではなく奇跡みたいなものです。
そんな有難い状態なのに、不平不満で生きていては申し訳ないのです。

私は神道(しんとう)への信仰があるのですが、感謝の気持ちをどう神さまに表せばいいのかがよく分かりませんでした。
が、ある時「上機嫌で過ごす」ことが神さまへの感謝になるのだということに気がついたのです。
「上機嫌」はまわりを明るくします。
上機嫌の威力は思っている以上にスゴイのです。

上機嫌はまわりへの慈愛でもあるし、自分自身にパワーを与える源(みなもと)でもあります。
上機嫌だと仕事もよく出来るし、潜在能力が発揮しやすくなります。
上機嫌の人と接していると、まわりの人たちの波動も調和され、その人たちの仕事能力まで上昇します。

上機嫌が持つパワーを「上機嫌力」と名付けたいと思います。
道元禅師の「愛語よく廻転の力あることを学すべきなり」という言葉がありますが、上機嫌力にも愛語に負けず劣らぬパワーがあると思うのです。

しかも上機嫌力には才能は不要です。
自らの意思で上機嫌にするのはそう難しい話ではないからです。
上機嫌力が良い雰囲気を醸(かも)し出し、自分にも周りの人にも最高のパフォーマンスを発揮させます。
上機嫌は「存在の愛」でもあります。