私は長い間、不動産業界に籍を置いていますが、いまだかつて手形というのを見たことがありません。
手形を扱わないので、不動産会社は案外潰れにくいのかもしれません。
分譲業や買取り転売業を除いて「在庫」というのも原則ないはずです。
売れない在庫は、売れないのに資産に計上されたままになります。
ここがB/Sのトリック的なところで、利益は出ているはずなのに現金がショートするといった現象が起こります。
ひどい時は「黒字倒産」にすらなります。
当社のメインの事業はコインパーキングとコインランドリーですが、その場合「売掛金」という項目はB/Sには出てきません。
ビジネス的にも会計的にも実にシンプルです。
銀行とお付き合いしなくていいと、社長の仕事の3分の1がなくなるのではないでしょうか。
借入れしないとできない案件は、当社の場合は「パス」と判断するだけなので、これまたシンプル。
不要な不動産は売却してキャッシュをつくるか、賃貸に回してキャッシュを稼ぐかの二者択一です。
きちんと整理整頓された会社は見ているだけで気持ちがいいですが、「整理整頓」はB/Sの資産の部でも行うべきなのでしょう。
余計なゴルフ会員権や株などがあれば、とっとと処分するのが正解かもしれません。
当社の通帳は1冊(1つのの銀行)だけで、それを見るだけでキャッシュフローのチェックができてしまえます。
振込はネットバンキングですませ、時間を節約しています。
もう使っていない機械器具がB/Sに存在していたり、付属設備を取り替えたのに、古い設備の簿価が残っていたりすることがあります。
こういったのも「整理整頓」するに限ります。
固定資産売却損や除去損は、そのぶん税金が戻ってくると考えれば、よりポジティブにやっていけるはずです。