不動産をジックリ育てる

「投資」はインカムゲインをメインにすべきで、キャピタルゲインを狙うのは「投機」だと前回述べました。
単なるキャピタルゲイン狙いではないのですが、土地を買って建物を建て、それを販売するマンションデベロッパーも、一棟売ったらまたゼロからのスタートとなります。

マンションデベロッパーを見ていると、供給量ナンバーワンになったところから、具合が悪くなっているような印象を受けます(倒産も多いのです)。
盤石として残っているのは、財閥系と鉄道系のみ。
あとの独立系マンションデベロッパーの入れ替わりは激しいのです。

バブルのたびに新興マンションデベロッパーが雨後の竹の子のように出現し、バブル崩壊とともに消えてなくなるのを繰り返しているようにも見えます。
マンションデベロッパーというのは派手だし、「土地仕入れ力」と「資金調達力」があれば、あとはすべてアウトソーシング出来るビジネスでもあります。

他業界から侵入するのは簡単ではないかもしれませんが、マンションデベロッパーで働いていた人たちが独立して新しい会社をつくるケースは枚挙にいとまがありません。
ある意味、競争が激しいのです。
またマンションデベロッパー自体、倒産のリスクの大きいビジネスモデルといえるかもしれません。

例えば分譲マンション管理業であれば、積み重ねの累積経営なので、安定的な収益が計算できます。
倒産しにくいビジネスモデルだと言えます。
マンションデベロッパーと同じように建売業や不動産買取り業者なども、社員や負債が多いと、どこかで破綻をきたす確率が高いのです。

不動産のインカムゲインの場合、その不動産からの収益を意味するわけですが、不動産をジックリ育てていくといった感覚が大切だと思うのです。
その周辺や街自体の繁栄も応援したくなります。
その点、キャピタルゲイン狙いだと「儲けさえすれば何でもいい」となりがちなのです。