【会社繁栄「掃除道」 その32】

掃除に費やす手間は惜しくないのですが、時間は惜しいと思うことがあります。
鍵山秀三郎先生と出会ってから、20数年間掃除をし続けているのですが「掃除にこんなに時間をかけていていいのだろうか?」という疑問はいつもありました。
もう少し掃除の手を抜いて、その時間を仕事の方に持って行こうと考え、実際そうしたこともあるのですが、運気が乱れ、具合の悪いことが会社に“どんどん”生じました。
いくつものトラブルやクレームが発生し、それらに振り回される羽目に陥ったのです。

掃除の時間を浮かして仕事に費やしたつもりが、結局後ろ向きの仕事ばかりに翻弄されることになりました。
その時にハッキリと「掃除には運気を整える力がある」ことを知ったというわけです。
掃除の手を抜いても、しばらくはその変化に気がつきません。
しかし何かの警告信号が「ちょっとした汚れ」を通して発せられるのです。
私が気がついた汚れは、水回りのシンクについた薄い黒ずみでした。

20数年間掃除を続けてきたおかげで、そういった小さな汚れにはすぐに気がつくようになっています。
その警告が出たあと、具合の悪いことが会社に次々と起こったというわけです。
努力や才能など、運気に比べれば微々たるものなのです。
掃除の手を抜けば運気が乱れます。
一番大事な運気をないがしろにして、それを努力でカバーしようとすること自体に無理があるのです。
乱れた運気の後始末には、いつもの掃除の数十倍のエネルギーが必要になってしまったというわけです。

本気で掃除をしようとすると、確かに時間がかかります。
その時間を惜しまずに掃除に費やすとするならば、他の何かの時間を削らなければなりません。
少なくとも「つまらない」ことに時間を取られている暇はないのです。
掃除を続けようとすると、まずは生活自体をビシッとさせていかなければならないということなのです。

早い話が早起きしないと掃除は絶対に続きません。
「掃除を始めたけれど続かなかった」という経営者の人と、今まで2,3人出会ったことがあります。
「どうして掃除のような効果のあることが続かないのだろう?」と不思議に思っていたのですが、理由はただ一つ、その人たちは早起きが出来ず、従って会社に早く出勤することが出来なかったからです。

掃除をすれば、場がキレイになって気持ちまでスッキリします。
掃除をすれば、生活がビシッとします。
掃除をすれば運気が整い、幸運が舞い込んできます。
「これだけ“いいことずくめ”なのに、なぜ掃除をしない?」ということになるわけです。