業界の今後とわが社の対策 その9

不動産業会社の中には、注文住宅を請け負っているところがあります(別会社にしているケースもあります)。
注文住宅を取り扱っている不動産の仲間が面白いことを言っていました。
いわく「人生が上手くいっていないと、注文住宅を建てる気にはならない。逆に言えば、注文住宅をやっていると、人生の成功者ばかりとお付き合いすることが出来る」。

松下幸之助さんは運のいい人しか採用しなかったそうです。
また竹村健一さんの座右の銘も「運のいい人と付き合う」。
こんな実力のある人たちですら、運のいい人たちだけを選んできたのですから、そこには相当深い意味があると思うのです。
「注文住宅をやれば運のいい人と出会える」のであれば、注文住宅をやっていくうえでのモチベーションが大きくアップします。

ただし「住宅産業はクレーム産業」とも言われているし、住宅メーカーの営業マンなどを見ていると「へとへと産業」という感じがなきにしもありません。
このギャップをどう考えたらいいのかは、今のところ、ちょっとよく分かりません。
私自身は建築の専門知識がないので、注文住宅の分野への進出は考えていません。
注文住宅以外で「運のいい人たち」と出会える仕事っていったい何でしょうか?

人生が上手くいっているのとは別のケースもあります。
不動産会社の中には競売物件をメインで扱うところも少なくありません。
競売まで行かなくても「任売(にんばい)」というのもあります。
銀行や弁護士からの紹介で、任売物件を専門に扱う不動産業者もいます。
仕入れの手段として「競売」や「任売」はなかなか有効です。
ただ「運の悪い物件」ばかり扱っていて、自身も運が悪くならないかと心配です。

売却の理由に離婚も増えてきているようです。
ある地方都市で、人口が減っているのに世帯数が増えているところがあり、その原因は離婚なのだそうです。
考え方によっては、離婚は新しいスタートとも言え、人生の再出発を後押しするのは、悪くない仕事かもしれません。