賃貸住宅オーナーの3分類

同じ不動産業でも、仲介業、分譲業、管理業、賃貸(オーナー)業と、大きく分けて4つの種類があり、それぞれ従事している人たちの雰囲気が違います。
賃貸住宅のオーナーにも3つの形態があり、同じ業務なのに異業種に近い性質があるように感じます。

かつてはアパートオーナーといえば「地主」に決まっていました。
住宅メーカーが営業で地主さん回りをし、空き地にアパートを建ててもらってきたわけです。
「地主の囲い込み」は不動産管理会社にとっても大事な戦略でありました。
ということで、賃貸オーナー業の第1種族は「大“家”(おおや)」。
(第1種族から第3種族まで、すべて後ろに「家」がつくのが、今回の話のミソなのです)

ワンルームマンションをこの世に生み出したのはマルコーという会社で、今はもうありません。
ワンルームマンションは今や完全に市民権を得ています。
学生や独身者というユーザーに提供する新しい空間として、またオーナーに対しては小口の投資案件として、全く新しい切り口の不動産形態として登場したわけです。
サラリーマンをしながら、ワンルームマンションをいくつか所有している人も少なくないと思います。
中には賃貸マンションを一棟ごと持っている人もいると思います。
これが賃貸オーナーの第2種族で「投資“家”」。

3番目は本気で不動産オーナー業に取り組もうとしている人たちで、これは相当に勉強熱心。
勉強にかけては下手な不動産屋よりも格段に上です。
もっとも不動産サービス業(不動産店)と不動産オーナー業とでは、勉強の種類や方向が少し違うので、仕方がない面もあるのですが。
この人たちは普通のアパートの購入だけではなく、例えば借地を競売で落として賃貸住宅を建てたり、シェアハウスに取り組んでみたりと、かなり先進的なことに挑戦しています。

これが第3種族の「事業“家”」。
事業家同士の横のネットワークもあり、相当レベルの高いノウハウを作り上げようとしています。
賃貸住宅フェアに行っても、昔は業者か第1種族のアパートオーナーしかいなかったのが、最近は急速に第2種族、第3種族の人たちを見かけます。
また第1種族の後継者の中には第3種族化しつつある人もいます。
いずれも極めて研究熱心。


事業家というのは、投機ではなく、一つのビジネスを育てていく長期の投資家でもあります。
日本にもこういったプロの投資家、即ち事業家が登場してきたということなのでしょう。
第1種族の「大“家”」。
第2種族の「不動産投資“家”」。
そして第3種族の「不動産事業“家”」。
第3種族に移行するほど「勉強“家”」となるのは言うまでもありません。