投資のこと

アパートのオーナーは大きく分けて「地主系」と「投資家系」とに分類されます。
「地主系」は元々所有していた土地にアパートや賃貸マンションを建てるので場所が限定されますが、「投資家系」は場所を選んで購入するので自由自在。
「投資家系」には非常に勉強熱心な人たちが数多くいる印象があります。

個人投資家やサラリーマン大家さんというのが一種のブームでもあります。
競売市場でもプロの不動産業者だけではなく、最近は個人投資家も参入しているようです。
何人かの有名な個人投資家というのがいて、セミナーで講演したり、本を出したりしています。

私もそういった本はよく読むのですが、不動産業40年の私から見ると初心者用過ぎて、あまり役に立つということはありません。
「5年で資産○億円」などというキャッチフレーズも多いのですが、一方の借入金のほうは何も書いていないことがほとんどで、危険な匂いがプンプンします。

私も「不労所得のススメ」的なことはよく言うのですが、投資は時間を味方にしなければいけないと思うのです。
長い時間かけてジックリと投資物件を増やしていたり、育てていったりすべきだと思っています。
「バスに乗り遅れるな」とばかり、後先考えずに焦って投資物件を購入するのは極めてリスキーでもあります。

経済的な自由を得て、本業や「やりたいこと」に憂いなく打ち込める状況にするのが不労所得の本質だと思っています。
従って「不労所得」を「苦労所得」にしてしまっては本末転倒なのです。
若いときから本業にも「投資の勉強」にも頑張って、じっくりと投資の花を開かせ、還暦以降の「やりたいこと自由自在」を実現させたいものです。

私は大学を卒業してからずっと不動産業界で働いているわけですが、不動産投資はプロでも何千人と失敗しています。
動物的嗅覚で不動産投資に成功する人もいるのですが、やはり投資は勉強量が物をいうと思うのです。
勉強もせずに投資するのは不動産でも株でも、地図を持たずに見知らぬ土地を彷徨(さまよ)うのと同じではないでしょうか。

しかもその勉強を楽しんでしまえば、投資は2度楽しい。
私は不動産はプロですが、株は初心者です。
いま懸命に株の勉強中なのですが、これが実に面白いのです。
勉強しているうちに、技術もさることながら、哲学(原理原則)も身についてきます。
これが自分なりの投資スタイルを築くベースとなるのだと思います。