キャピタルゲインとインカムゲイン

不動産投資にせよ、株式投資にせよ、インカムゲインこそ重要であって、最初からキャピタルゲインを狙うべきではないと思うのです。
私の今までの経験では、インカムゲインを築いていこうとする人は温和な人格者が多く、キャピタルゲイン狙いの人は基本的にはバクチ打ちと言った印象があります。
どちらがいい悪いといった意味ではなく、その人に合ったやり方があるということなのでしょう。

インカムゲイン派は時間を味方にしなければなりません。
そんなに急には安定したインカムゲインは得られないのです。
じっくりと長い年月をかけて資産を形成していくべきだと思うのです。
従って若い時から資産づくりを頭の片隅に置いておかないと、晩年になってから急いで資産づくりをしようと思っても、なかなか出来るものではありません。

資産形成は不労所得形成でもあります。
不労所得をバカにしていてはいけないのです。
いつまでも自分の体力と能力で仕事が続けていけるなどと考えるのは、一種の傲慢でもあります。
私は一生現役で働き続けるつもりですが、不労所得なしでは”やっぱり”寂しいのです。
自分の代わりに不動産が稼いでくれたり、株が経済的な支えになっていてくれないと、気持ち的にも豊かな晩年とはなりません。

本業に懸命に打ち込むのは当然ですが、資産形成のことも若い時から興味を持って勉強していくべきです。
これは学校でも教えてくれず、大学でも学ぶことが出来ません。
なぜなら教えるほうにもその知識がないからです。
私は経済学部出身なのですが、資産形成に長(た)けた先生に出会うケースは、ひじょうに少なかったように思います。
経済学では有名なケインズは、投資にも優れた能力を発揮していたと読んだことがあります。

社会人になってからも「資産形成」もしくは「投資」というものを真正面から勉強する機会は、案外少ないように思うのです。
だから胡散臭いものに引っかかったり、投資に失敗したりするわけです。
増田徳太郎さんは(先日亡くなられたのですが)、極めて優秀な株のチャート分析システムを開発された方です。
大企業を部長職で退職されたあと、株式投資に本格的に手を染めたのですが、短期間の間に瞬く間に2,000万円ほども損をしたのだそうです。

それがシステム開発の動機になったのですが、大企業の部長までやった人が株式投資では簡単に失敗するわけです。
何も勉強せずに投資の世界に入ろうとする恐ろしさを知るべしなのです。