本業にユトリをもたらす不労所得

不動産業の中には「買取り転売」という分野があります。
物件を自ら買い取って、リフォームなどの付加価値をつけて(あるいは付けずに)転売するというものです。
私の知人の中にも、その名人がいます。
買取り転売の場合、ポイントは「目利き力」と「資金調達力」。

長くやっていると、不動産業者が物件を持ち込んできてくれるようになります。
換金を急ぐ案件などが持ち込まれ、市場価格よりもかなり低く購入することができます。
「買うのか?買わないのか?」を即決することが求められ、決済までの期間も短いのが普通です。

買い取って再販する場合も、自分で動かなくても不動産会社が買い手を探してきてくれます。
「B to C」というより、むしろ「B to B」に近い業態になるのではないかと思います。
上手く回転していけば、多くの営業マンを抱える必要もなく、1人もしくは少人数で運営していけるわけです。

私もそういった業態にチャレンジしようと思ったこともあるのですが、どうも落ち着かないのです。
一番大きな原因は「性格的に合わない」ということに尽きると思います。
買った価格よりも高く売らなければ儲からないし、自分が好きな物件ばかりを購入できるとも限りません(お気に入りの物件でなくても、儲かりそうなら買うわけです)。

そういったキャピタルゲイン狙いの投資よりも、やはり自分は購入した不動産からの収益を得ていく方が性(しょう)に合っていると気がつきました。
不動産をジックリ育てていく感覚です。
キャピタルゲインよりもインカムゲインを目指したいと思うのです。

インカムゲインを目指し、それだけで「食べていける」ようになるまでには時間が必要です。
私が常々言っている「投資は時間を味方につけよ」というのは、そのことです。
私もいくつかの収益物件を保有していますが、社会人になった時からそのことを念頭に置いて働いてきたなら、今頃はもっと「花咲いた」人生になっていたと思うのです。

会社だって、自然に収益が入ってくる仕組みづくりを初期のころから目指すべきです。
それを20年も続けていれば「不労所得」が年々入ってくるようになり、余裕を持って本業に打ち込めそうな気がします。
個人でも、不労所得だけで生活できるのであれば、お金や人づきあいに煩わされることなく、生き生きと自分の仕事に取り組むことができそうです。
上司へのゴマスリだって必要なくなってしまいます。