少し前の日経新聞に、面白い記事が載っていました。
2009年の秋に香港で世界一高額とされる高層マンションが分譲されました。
一番高い部屋は4億4千万香港ドルで、日本円で言うと、何と52億円だそうです。
個人の居住用にこれだけの金額を支払う人は、さすがに日本ではいないに違いありません。
香港の所得税は15%。
所得税が低いと個人にお金が残っていくし、世界の超高額所得者も香港に集まってくるのではないでしょうか。
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それはさておき、このマンションのセールスポイントは「ビクトリア湾が一望できる88階建て」なのですが、外から見ると、どう数えてもそんなに階数があるようには見えないのです。
なぜなら実際は46階建てで、開発業者の「言い値」の半分。
香港では高層マンションほど値打があるので「階数偽装」が多いとのこと。
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階数偽装のやり方には2つあり、一つは「死」の音と同じの「四」の階数を抜く方法。
「死」と「四」の発音が同じなのは、日本語でも中国語(広東語)でも一緒なのですね。
でも風水などが影響を持つ香港の方が、もっと縁起にこだわるような気もします。
もう一つは下層階の表示を思い切って省略する方法。
玄関フロアのすぐ上の階が5階になっているマンションやホテルはざらにあるようです。
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日本の不動産業がGDPに占める割合は、確か10%だったと思うのですが、香港ではこの割合がぐんと高いと推測されます。
香港では不動産業(というより不動産投資業)の富豪が大勢いる印象があります。
日本が昭和最後のバブル崩壊で苦しんでいた時、東京八重洲口の旧国鉄の土地を香港資本が購入し「パシフィックセンチュリープレイス」という一流の高層オフィスビルを建て、それを前回のファンドバブルの時に高値で売却しました。
傍から見ていて、その情報力、資金力、企画力、そして先見性にドキモを抜かれます。
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世界レベルの銀行のアジア本部は、香港に置かれていることが多いようです。
投資業がGDPに占める割合は相当高いのではないかと思います。
逆に言えば、投資業によって香港は成り立っている国だとも言えそうです。
もっともお隣のマカオではカジノ業がGDPの4割ほども占めているので、それに比べればずっと健全だという気もします。