B/Sには会社の姿勢が表れる

税金の流れとして、所得税率を増やし、法人税

を減らすという傾向があります。

海外から企業を呼び寄せるためにも、また日本企

業が日本から逃げ出さないようにするためにも、

法人税率を高くするわけにはいかないのです。

法人税率を低くするというのは、国と国との競争

でもあるわけです。

国が調子に乗って税金を上げていくと、稼ぎ頭の

企業や個人がその国から出て行ってしまうという

「しっぺ返し」の可能性があります。

実際、力もお金もある個人が何人もシンガポール

に移住しています。

法人だって、例えばIT企業だと、世界のどの国に

本社を持っていても基本的には問題がありません。

だったら税金の安い国がいいわけです。

今、日本の個人の高額所得者にかかる税率は、す

べてを含めると67.1%になるそうです。

ほとんど7割が税金で持っていかれます。

納税意欲という意味でも、多分このあたりが限界

ではないかと思うのです。

高額所得のサラリーマンにも増税されました。

GDPは「消費」と「投資」と「政府支出」から成り

立っています。

消費を引っ張っている層の可処分所得を減らすよ

うな税制を取ると、結局GDPも縮小してしまうと

思うのです。

会社のB/Sには、その経営者の姿勢が表れると言い

ます。

同じ製造業であっても、無借金でキャッシュをしっ

かりと貯め込んでいるところもあれば、いつまでた

っても流動負債が流動資産を上回っているところも

あります。

P/Lは1年ごとの勝負ですが、B/Sは長い時間をかけ

て築き上げていくものです。

長いこと会社経営していると、大きな波が幾度もあ

り「儲かる、儲からないは時の運」といった側面が

あるのは否めません。

が、「ダム経営」や「キャッシュ・リッチ企業」は、

そう思わないと、その方向には決して向かわないの

も事実であります。