不動産マーケットの変化

不動産業を取り巻く事業環境が変化しているのは間違いがないのですが、その原因として、まずは「不況」、そしてもう一つが「日本経済の構造自体の変化」が挙げられます。
金融は不動産に一番大きな影響をもたらす要因ですが、供給過多なのに建売や分譲マンションが建設されるのは「低金利・金融緩和」が後押ししているとみて間違いがありません。

日本の社会構造の変化として「人口の減少」がよく挙げられるのですが、首都圏は人口が増えているのです。
地方の人口は減って、しかも高齢化。
この流れは誰にも止められず、政治的な力を持ってもムリだと思います。
人口構造の変化で顕著なことは、一世帯当たりの人数の減少。
都市圏では1人世帯、2人世帯の割合が、既に7割を超えています。
分譲マンションの供給も、いつまでも3LDKのファミリータイプばかりでは、市場の変化についていっているとは言い難いのです。

ベルリンの壁崩壊以前は、資本主義の国と社会主義の国とは経済的に没交渉でした。
冷戦終了後、ヨーロッパでは東欧の安い労働力が流入し、賃金が低い方へ引っ張られています。
日本もそうで、中国の安い人件費のために、
日本人の所得が上がらなくなりました。
ユニクロニトリも「生活防衛商品」と言えなくもありません。
あるエコノミストユニクロの売上に注目し、ユニクロの売上が絶好調な時はまだ不況、ユニクロの売上に陰りが見え出すと、そろそろ景気上昇局面だと判断するのだそうです。

不動産業界でも価格が重要になってきました。
住宅の価格は上がらないことを前提に事業を展開していかなければなりません。
金融が緩むと、あまったおカネが不動産市場に流れ込むことがあります。
この場合は、需給のバランスを無視した市況の動きとなるのですが(いわゆるミニバブル)、
これにダマされてはいけないわけです。
例えば今、東京の超高層のマンションが売れずにいっぱい残っているようですが、これなどももう価格帯が違ってきているのだと思います。
1億5千万円のものを1億円に値下げしても、要するに売れないのです。