ある不動産実務家のお話の続き

不動産実務家の講演でのお話の続きです。

金融がちょっと厳しくなった頃から在庫処分を徹底したのが幸いし、これをやっていなかったら今頃倒産していたとのこと。
また「不動産の証券化」事業にも進出したかったのだけれど、地方でばかりやっていたので証券化に乗り遅れてできず。
今から思えばやらなくてよかったわけで「運が良かった」とのことでした。
また保証業務事業にも乗り出そうとしたけれど、地方物件は保証業務が難しく、これまた手を出せず。
これもまた運が良かったわけです。

全国を8つに分け、各ブロック長に不動産購入の判断を任せたのですが、これが大失敗。
いくら優秀な部下であろうと不動産の購入は難しいのです。
今は「売れ残ったらたたき売る」、つまり「売り抜ける」を実践し、結果、年3回転以上しているそうです。
ちなみにバブルの時はせいぜい1回転。
600億円の借金を3年間かけて全部返済。
自分の給与をゼロにし、950人いた社員を500人に減らし、さまざまなコストをカットして、
月10億円の経費を月5億円にしたそうです。
経費を少なくするのは大変で、オーナー経営でなければできないとの感想。

不動産業には「絶好調」と「絶不調」があり、これらは経営努力や勉強よりも「情勢」に左右されることが多いとのこと。
この4月で自ら創業した会社から身を引いたのですが、自分は不動産のプロ中のプロだと自負しているので、引退後はコンサルタントとしてやっていきたいそうです。

創業した会社には今120人の店長がいるのですが、内3分の1は女性店長とのこと。
女性店長はマジメなのです。
また中古再生がメイン事業ですが、かつては「古いのを新品同様」がビジネスモデルだったが、今は「安い」を前面に出しているのだそうです。
リフォームのポイントは、おカネをかけずに出来る限り清潔に。
「清潔」がキーワードですが、豪華にする必要は全然ないとのことです。