アメリカと日本と中国

「物わかりのいい」オバマ大統領によって、アメリカの権威と存在感が揺らぐことが、民主党政権化のアメリカの最大のリスクであることは間違いがありません。
普天間基地の問題だって、もしアメリカが共和党政権であったなら、ただでは済まないはずです。
アメリカ大統領選でのオバマ選出に呼応して、日本にも民主党政権が出来たような気がします。
共和党のマケイン氏が勝っていたなら、日本もやはり自民党が勝っていたのではないかと感じます。

少なくとも大統領選前のオバマ氏は、台湾問題や北朝鮮問題はあまり念頭になかったのではないかと推測されます。
日本との同盟関係よりも、中国との関係の方に興味があったのではないでしょうか。
日本の民主党の首相もどちらか言うと「アメリカ一辺倒」からは距離を置いているので、どっちもどっちと言ったところでしょうか。

アメリカが「親・中国」で行くのかと思っていたら、ここに来て、ちょっと雲行きが変わってきました。
2009年9月にオバマ政権が中国からの輸入タイヤに、突如35%の関税を課しました。
中国は直ちに反発し、鶏肉とタイヤに36%の関税をかけ、これ以降米中は他の製品にも関税をかけあう対抗合戦の様相を呈しています。

グーグルへの中国政府の検閲やサイバー攻撃に対し、クリントン国務長官が警告。
これに対し中国高官も反論。
中国企業アメリカへの輸出に依存し、アメリカは国債保有を中国政府に依存する状況も、世界金融危機以降、少し変化してきているようです。

中国は「世界の工場」から「世界の市場」へと方向転換しました。
思い切った政府支出のおかげで、成長率は10%を依然維持。
アメリカの消費に頼らなくても、自国の消費で経済を引っ張っていけるとの目論見。
実際、生活レベルの低い莫大な農村人口があり、そこにローンをつけて家電製品を普及させるだけでも、いくらでも消費を増やすことが出来ます。
自動車だって1,300万台で、世界一の販売量。
世界一が好きなアメリカ国民は、このような状況にジリジリしているのではないでしょうか。