軍事のお話

フィリピン政府が日本の軍備強化を強く支持しています。
フィナンシャルタイムズに Philippines backs the rearming of Japan というヘッドラインの記事が載っているのですが、意味は「フィリピンが日本の再軍備を支持」ということです。
中国の脅威が厳しくなってきたからです。

フィリピンはかつてビナツボ火山噴火で米軍基地が多大な被害を受けた折、それを機に米軍の残留を拒否し、米軍は撤退を余儀なくされた経緯があります。
アメリカ軍が撤退すると、中国が領土問題で圧力をかけ出し、フィリピンの軍事力だけではそれを跳ねのけることは困難です。
アメリカ軍を追い出せば、その機に乗じて中国が進出して非常に具合の悪いことになるということが、フィリピンの政治家には誰も分からなかったのでしょうか?

従ってアジアの軍事バランスのためにも、日本の軍事力アップを求めているのです。
ベトナムベトナム戦争アメリカと戦った国であり、中国の軍事的膨張に対し、表立ってアメリカに軍事的支援を要請するわけにはいきません。
ベトナムもまた日本の軍事力アップを願っている国の一つであるように思われます。

アメリカが「中国何するものぞ」の気概があれば全然問題がないのですが、オバマ大統領の真意はよく分かりません。
もしアメリカ軍が防衛線を縮小し、アジアから手を引くようなことがあれば、アジアはあっという間に中国の勢力下に置かれることになるでしょう。
台湾、フィリピン、沖縄あたりが、チベットウイグル自治区のように中国の植民地のようになっては、ひじょうに具合が悪いのです。
少なくとも中国よりもアメリカの方が余程真っ当な国であることは議論の余地はありません。

私もよく知らなかったのですが、TPPは単に経済問題かと思っていたら、実は「中国包囲網」の意味があったのですね。
TPPには知的財産権や人権問題や環境問題の取り決めも入っていて、中国は今の体制のままだと絶対に入ることが出来ないようになっているのです。
それが分かっているのと分かっていないのとでは、TPP加入問題で、大きく判断を誤ってしまいます。

原子力発電を行うとプラトニウムが取れます。
プラトニウムが取れるということは「いつでも原爆が作れるぞ」という、敵対する核保有周辺国に対する一種の核抑止力になっているのです。
これなども経済や環境問題を超えた、あまり知られていない原発問題の一面であることを最近知ったというわけです。