トヨタのリコール問題

ブッシュ大統領の時の日本のパートナーは小泉純一郎首相で、この時の日米の関係は大変うまくいっていました。
いくら日本車がアメリカ国内でシェアを上げようと全然問題にならず、トヨタも力いっぱい頑張っていました。
しかしながら今はアメリカ自体の経済が低迷し、ちょっとイラついている感じがします。
中国製品への関税引き上げなど、意地悪な面が見受けられるようになってきました。

トヨタのリコール問題でも「日本バッシング(日本たたき)」の雰囲気が“やや”あるように感じます。
クルマは生命にかかわる乗り物なので、悪いところがあればリコールし、どんどん改善していかなければいけません。
2008年にBMWでも、エアバッグの不具合で20万台にのぼるクルマのリコールを行いましたが、この時は「ドイツバッシング」という雰囲気ではなく、単に技術的な改善としての受け止められ方をしていました。

今回は普天間問題でのアメリカの不信感が、経済問題に波及しているような気がします。
トヨタがこの問題の扱いを間違うと、ほかのすべての日本製輸入品(日本から見れば輸出品)にバッシングが広がってしまう可能性があります。
またトヨタは虎の尾を踏んでしまったのかもしれません。
ビッグスリーアメリカの製造業の象徴でもあります。
GMを抜いて世界一になったことに対し、理屈抜きの反感がアメリカ人のどこかにあるのかもしれません。

トヨタのブレーキペダルの製造地は日本ではなく、アメリカのインディアナポリスなのです。
トヨタ社内でも「これが欠陥であるのかどうか?」の議論があったようですが、トヨタは不具合の恐れがあるすべての車にリコールを行うことを決断しました。
創業家出身の社長だからこそ、社内がまとまったのだと思います。
もし創業家でなかったら、社内意見の収拾がつかなかったかもわからず、そういう意味では不幸中の幸い。
というより、ある意味、運がよかったかもしれません。