不動産事業の変革 その3

当社の場合は新規事業にコインパーキングを選択しました。
一番相性が合うのです。
「自社所有・自社運営」がコンセプトであり、地域も「集金に自転車で回れる範囲内」に絞っています。
従ってサブリースのために必要な営業マンはゼロ。
管理はアウトソーシングしています。
エリア外やコンセプトからハズれた案件は、最初から検討することなくパスしています。

最初にキッチリとしたコンセプトを決め「それらに合致しないものは手を出さない」という、一種の「我慢」が経営には必要なのかもしれません。
我慢しきれなくなって手を出してしまい、そして失敗するといった実例は、自分の例でも他人の例でもいくつでも挙げることが出来ます。

コインパーキング用地を購入するために、毎日レインズ(物件情報システム)を見ていても、コインパーキング適地は非常に少ないのです。
ましてや実際に購入できるものとなると、もっと数が絞られてきます。
新しいコインパーキングをオープンさせるのに、平均1年以上かかっているのではないでしょうか。
その間忍耐強く待つことが出来るかどうか。
待てずに妥協してしまうと、これまた手痛い失敗が待っています。

ひょっとしたら事業にとって「我慢」は、努力や才能や工夫よりも上に位置する、一番大事な要因かもしれません。
努力や才能や工夫は儲けるための要因ですが、買わずに我慢するのは大損しないための要因。
ちょっと我慢できるかどうかで、あとあとの展開が随分違ってくることは少なくありません。
特にバブル崩壊時には極端にその差が出てきます。
まさに「事業は我慢なり」なのかもしれません。