トヨタのリコール問題 その2

トヨタはリコールにまで至らないような不具合も今後はすべて公表すると発表しました。
日本を代表する会社が範を示すわけですから、少なくとも日本企業はこういった方針に準じていくと思われます。
また世間もそれが当たり前だという時流になってくるのだと思います。
これもいいことなのかもしれません。

トヨタは欧米ならびに中国のバブル経済に乗り、生産を拡大してきました。
アメリカでのピックアップトラックの生産工場の立ち上げなど、トヨタらしからぬ戦略ミスもしています。
戦線が伸びきっていたところに、バブル崩壊
しかしながらGMが勝手に転んだせいで、世界一の自動車メーカーとなりました。
4,500億円の赤字の後、経営立て直しに取りかかった直後のリコール問題。
悪いことは重なるものなのですが(もちろん良いことも重なってやってきます)、トヨタが本気になって改革していくならば、次への飛躍の絶好のチャンスとすら思えるのです。

トヨタはガソリン車では世界一になり、またハイブリッド車では最先端を行っているわけですが、もうすぐ電気自動車の時代が来ようとしています。
電話ビジネスでも、新興国は固定電話の普及過程を飛ばして、いきなり携帯電話の時代に突入しました。
クルマでも同じような動きがあるかもしれません。
中国などでは、自動車普及の「後発のメリット」を活かして、サッと電気自動車から入っていく兆しがあります。

ガソリン車の世界でも、すぐ後ろに韓国車の姿が迫ってきています。
9,000億円もの研究開発費を投入しているトヨタなので、よもや抜かりはないとは思うのですが、何せ今は大変化の時代。
時代がどう変化するか予想がつきにくいのは、パソコンの世界を見てもよく分かります。
まさに油断大敵。
しかしながら今回のピンチがトヨタにとって、真のエクセレントカンパニーへのステップになるのではないかという気も実はしているのです。