近代の歴代アメリカ大統領 その1

1929年の世界大恐慌の時のアメリカの大統領はフーバー(共和党:在任期間1929年〜1933年)でした。
この時は恐慌に対処する理論も政策も持たなかったために、経済は回復の機会を掴むことなく、どんどん悪化しました。
フーバー大統領は今でも「無為無策無能」のイメージがあります。
恐慌や不況の時は、政府がテコ入れをしないとダメなのです。
逆に好況の時は静かに見守るのがいいということになります。

フーバーからルーズベルト大統領(民主党:在任期間1933年〜1945年)に変わり、ニューディール政策を実施。
積極的な公共投資を行ない、経済の立て直しを図りました。
政府支出による有効需要の創造です。
この理論的支柱はケインズ経済学です。
かなりの効果が出たのですが、経済の回復は第二次世界大戦まで待たなければなりませんでした。
戦争は究極の有効需要の創出なのです。
ルーズベルトの智謀により、日本を太平洋戦争に巻き込むことに成功したことが、研究により今では明らかになっています。

ルーズベルト第二次世界大戦中に亡くなるのですが、あとをついでトルーマンが大統領になりました(民主党:在任期間1945年〜1953年)。
この人は日本に原爆を投下。
また朝鮮戦争を戦っています。
日本の勢力を半島や大陸から駆除すれば、今度は大陸から圧力がかかってくるという地政学的状況があるわけです。

次の大統領は共和党のアイゼンハウワー(在任期間1953年〜1961年)。
朝鮮休戦協定を結びましたが、冷戦はこのころから本格化します。
次が有名なケネディ民主党:在任期間1961年〜1963年)。
キューバ危機を見事に乗り切ったことでも有名です。
熱狂的な人気があったのですが、暗殺という悲劇がありました。

暗殺されたケネディのあとにはジョンソン大統領が就任(民主党:在任期間1963年〜1969年)。
ベトナム戦争のきっかけは、実はケネディ大統領の時に作られているのですが、ジョンソン大統領の時に本格的に参戦。
「古き良きアメリカ」の時代が終わり、ベトナム戦争以降、急激にアメリカ社会が荒(すさ)んでいったようにも思います。
第二次世界大戦ベトナム戦争時の大統領は民主党
民主党の大統領のもとでも、けっこう戦争が行われているのです。