業界の今後とわが社の対策 その6

長い時間をかけての「賃貸オーナー業」への移行は、不動産業者にとって、ごく自然な流れでもあるわけです。
30歳代の経営者と60歳代の経営者とでは、経営のやり方が異なって当然です。
何より体力が違ってきます。
馬力にまかせガンガン販売していくスタイルを60歳になっても維持できるかと言えば、これはできないわけです。

年齢を重ねたなら、不動産自体に稼いでもらう方法を取らないと、まずは体がもちません。
「汗水たらして不労所得の元をつくる」というのが、私のビジネスの目標の一つです。
不労所得の支えがないと、老後は不安でもあります。
若い時から不労所得を築いていくことを目指すべきです。
年いってからでは遅いのです。

本業には好不調の波が必ず押し寄せます。
順風満帆がずっと続くということはあり得ません。
私は不動産会社を30年間経営していますが、確かに5,6年は良かったように思いますが、あとは苦戦のし通し。
3勝7敗か2勝8敗の業界ではないかと感じています。
だから2勝や3勝のときに驕り高ぶってはいけないのです。

好調の時に分不相応な本社ビルを建ててしまったり、高級外車を購入してしまったりすると、いったん逆風が吹き始めたら二重に苦しくなってしまいます。
余分な経費がかかってくるからです。
高級外車を買うお金があるのなら(お金もないのに借入れで購入するのは論外)、私ならマンションを買って賃貸に回します。
仮に車の維持管理費に月10万かかるとし、マンションを貸せば月10万円の家賃が入ってくるとします。
上下20万円の差が出てくるわけです。
1年で200万円以上の差。
10年だと2,000万円以上の差。
どう考えてもこの差は大きいのです。