学生時代に渡部昇一先生の著書と出合ったのは、私にとって大きな幸運でした。
おかげで物心ともに豊かになる方向を目指すことが出来ました。
もし若い頃から「清貧」を目指していては、けっして経済的に恵まれた人生を過ごすわけにはいかなかったと思います。
「清貧」は間違いで「清富」を目指すのが人間として自然な生き方だと思うのです。
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渡部昇一先生は先輩の大学教授をじっと観察していて、優秀な人の中でも、定年後もいい仕事をしていく人と、定年になれば全くダメになる人がいるのに気がつきました。
そしてその差は「定年後も手元に蔵書があるかどうか」から来ていると発見。
豊かな蔵書や書庫は、まさに知的生活人の人生そのものなのです。
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ストイックな生き方が求められ、衣食住にはけっして贅沢をしない武士が、唯一いくらお金を使ってもいいものが「刀」。
なぜなら刀はサムライの魂だからです。
同じことが知的生活人にも言え、魂である本にはいくらお金を使ってもいいし、本に関してはいくら自慢してもいいというわけです。
渡部昇一先生の蔵書は15万冊。
たぶんその量や内容から言って、個人の蔵書としては世界一ではないかと思います。
渡部昇一先生は本職が英語の先生なので、日本語の本だけでなく、英語圏の本もたくさんあり、それらを含めてやはりたぶん世界一なのだと思います。
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高橋亀吉や是川銀蔵のような実践に即した勉強をしたいものです。
高橋亀吉は実践経済学。
「実践」の意味は、机上の空論ではないということであり、また単に仕事に役に立つという意味だけではなく、魂が入り、人生哲学にまで昇華された勉強ということなのです。
今のように経済が混とんとし、どういう政策が正しいのかがよく分からない時にこそ、高橋亀吉のような経済学者が求められていると思うのです。
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是川銀蔵は戦後「資本主義はどうなっていくのか」を知るために、2年間大阪・中の島の図書館に通いつめました。
結局「資本主義は今後も発展する」と悟り、その後の是川銀蔵の快進撃が再び始まったわけです。
チャランポランな読書ではない、まさに「魂をかけた読書」。
真の読書は魂も智恵も知識も磨くものだと思うのです。