かなり多くの若手経営者が影響を受けてきたのではないかと思います。
そこでは直接、稲盛さんから教えを乞うことができるチャンスもありました。
畳の部屋で稲盛さんのまわりに座り、塾生たちが真剣な顔つきで、塾長のことばを一言も漏らさず聞こうとしている写真もたくさんあります。
日本各地の会場で総会が開かれたのですが、まるで稲盛さんの「追っかけ」をするがごとく、それらにすべて参加するという若手経営者も少なくありませんでした。
稲盛さんは当初「そんな時間があるなら会社で仕事をすべきだ」と言っていたのですが、不思議なことに「追っかけ」をしている人たちの会社の業績が揃いも揃って良いことに、やがて気がついたとのことです。
塾生から経営の相談を受け、たちどころにその問題点を指摘し、改善点を指導する力は、トップ経営者ならではの鋭さがありました。
ある経営者は稲盛さんから財務面の弱さを指摘されたけれども、ぐずぐずして有効な手を打たず、その2年後に倒産したという実例もあります。
晩年、JALの経営を引き受け、見事に再建したのですが、もし稲盛さんでなければJALは立ち直れなかったのではないかとすら感じます。
経営は「覚悟」と「ガッツ」がなければどうしようもありませんが、ある意味「コツ」というのもあると思うのです。
そのための勉強時間は惜しむべきではないと思います。