スゴイ人は、とことんスゴイ

多重債務者の過払い金を取り戻すというコマーシャルをテレビでよく見かけます。
どうせ胡散(うさん)臭い法律事務所だろうと思っていたのですが、その「創業者(弁護士)」のことを経済雑誌で知ってビックリしました。
法律事務所なのに拠点が全国に76ヶ所もあり、そのすべてが黒字なのだそうです。
弁護士というより、完全に(辣腕)経営者ですね。

地方にはいまだに「殿様気分」の弁護士が多いので、普通の企業がサービスを提供するように、法律サービスを提供すると、もうそれだけで差別化ができてしまえるとのこと。
もともと、この法律事務所の創業者は一般企業で働いていたのですが、弁護士業界が有望なマーケットだと感じたので、司法試験の勉強をし、合格して弁護士になったそうです。

弁護士を一つのビジネスとして捉える発想は、ちょっと真似できるものではありません。
ほかに有望なマーケットが見つかれば、弁護士業にこだわらず、さっさとそちらに移行するマインドがあります。
事実、回転すしも手掛けたそうですが、これは儲からないので撤退したとのこと。
これだけでも驚いてしまいます。

「過払い金返還」業務は、弁護士や司法書士業界にとっては、かなりの追い風だったのですが、もうそろそろそのネタは尽きかけてきています。
そこでこの創業者の人が次に目を付けたのが医療業界。
そして何をしたかというと、医学部を受けて合格しているのです。
従って今は医学部学生(2年生とのこと)。
法律事務所の組織を束ねる立場にいながら、44歳にして医学生というのもスゴイことです。

将来、医療業界で何らかの事業を行い、その組織を大きくして、今の法律事務所の職員たちをそちらに移動させ、雇用を確保しようという計画もあるようです。
この人は医療業界へ行っても、何かデカイことを行いそうな予感がします。

このように世の中には「とてつもなく」仕事ができる人がいるのですね。
例えば「ブックオフ」の創業者の人は、今はその経営から完全に手を引いているのですが、いま流行りの「俺のフレンチ」や「俺のイタリアン」を始めました。
書店と料理店とでは、業種が全く違うと思うのですが、スゴイ人は何の経営をやっても成功してしまうことに舌を巻いてしまいます。

稲盛和夫さんだって、製造業から航空業という畑違いの業界にやってきて、見事にJALを再生させています。
スゴイ人は、何をさせてもスゴイ!のであります。