大変身へ

ある日、何かから刺激を受け「本気で勉強しなければ」と決意してから、実際に満足できるレベルの勉強に到達するまで10年かかっています。
時間がかかり過ぎているとは思うのですが、自分の願う方向へ歩めただけでもヨシとすべきかもしれません。

自分個人のことでも変革するのに10年かかっているのだから、会社の大改革ともなれば“やはり”10年はかかるのかもしれません。
これが稲盛和夫さんのような名経営者の手にかかると、2年ですべてやりかえ、結果「再建」成功ということになるのかもしれません。

10年ほど前に「会社の方向を抜本的に変えなければ!」と強い危機感を持ったことがあります。
その決断の選択肢の中には廃業も含まれていました。
が、廃業もせず、少しずつ変革しながら今日までやってきています。

アムステルダムへの一人旅の途中、強烈に「このままではいけない!」との思いが浮かび上がったのです。
それが正確には11年前。
どういう方向へ向かえばいいのかのイメージも固まってきました。
具体的には賃貸オーナー業への方向です。

今後のわが社は、新しい事業やサービスや機能を付け加えるという「足し算」の経営ではなく、今までやってきたことを思い切ってカットしていく「引き算」の経営が求められていると思うのです。
長年たまってきた埃(ほこり)を大掃除し、捨てる作業をしていかねばなりません。

ひとことで言うなら「シンプル化」であります。
儲かる事業や商品にシフトしていかないと、いつまでもバタバタしているだけで、利益も出ないし、おカネも会社に残りません。
「儲かる仕組みづくり」を考えるのは、経営者にとっての最大の仕事だと思います。

長年続いてきた会社でも、同じ商品を扱っているケースは稀(まれ)です。
会社の中身をドンドン変えながら発展しているわけです。
当社も来年で創業70年になります。
よく潰れもせず、生き残ってきたものです。

当社の前半は土木建設業でした。
後の半分は不動産業です。
不動産業自体の中身も随分変化してきたのですが、ここらで今までとは次元の違う大変身をしなければいけないのかもしれません。
勇気も知恵も必要なのです。