東京で不動産業を営んでいる友人が、家からテレビを排除し、趣味の将棋もやめ、仕事に集中する態勢にし、みるみる成果を上げ出しました。
マンスリーマンションが収益の主体であったのを、収益マンションの売買に特化し、これが成功の大きな要因となりました。
事業変革を決断した時、人を増やしてマンスリーマンション事業を継続するか、あるいはマンスリー事業をカットして今の人数のままで行くのかの迷いがありましたが、社員数はそのままで事業を転換する方を選びました。
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収益物件の仲介においても、トップ自らが動いて契約を上げていくため、どうしても時間の制約があるので、1件当たりの仲介手数料が大きい高額物件にシフトしていっているとのことです。
利益率の高い分野に事業の軸を移動させるのは、社長にしかできない決断であり、また常にそのための努力をしていなければならないわけです。
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東京の友人の場合、「一般住宅の売買仲介」⇒「賃貸管理」⇒「マンスリーマンション」⇒「収益物件の仲介」と、同じ不動産業ではあるものの事業内容を変えていっています。
そして今、ツボにピタッとハマった感があるようです。
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当社はあと30年で創業100周年を迎えるのですが、ここらでどうしても事業の軸を変えていく必要があるように感じています。
そうでないと「100年企業」の仲間入りは到底ムリだと思うのです。
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大勢の社員を抱える労働集約型の仲介や管理といった事業は、今後ますます難しくなると思うのです。
当社の場合は、少人数で出来る「賃貸オーナー業」の方向しか、生き残る道がないように感じています。
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社員数を絞り、無借金経営を貫き、オーナー業を営もうというのですから、余程良いビジネスモデルでなければ通用しません。
外資系金融企業で働く息子の知恵も借りようと、今度会いに行く予定にしています。
「老いては子に従え」の格言そのものです。
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ある優秀な上場企業の社長は、自社の経営資源で出来て、利益率のいい事業を常にアンテナを張って探しているとのことです。
アンテナと言っても日経新聞を丁寧に読むのが主で、日経新聞を1日に30分ずつ4回(つまり計2時間)読んでいるのだそうです。
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利益率の高い事業を捜し、いかに自社をその方向に持って行くかは社長の一番重要な仕事に違いありません。
抜群の営業力で仕事を取って来るだけが、トップの仕事ではないということです。
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当社の経営変革の期限は今年末までと決めました。
それまでに必ず方向性を打ち出さなければなりません。
ここはひとつ集中して考え抜いてみようと思うのです。