市場に合わせて変化する

今日は東京の畏友との会食。
この人は同じ不動産業なのですが、常に変化しているという印象があります。
「市場に合わせてわが社を変える」というのが永続的な会社になる肝(きも)だと思うのですが、試行錯誤しながら変化しているのが傍(はた)から見ているとよく分かります。

東京の友人の場合、大手企業から独立したあと、不動産仲介会社を設立しました。
3年ほど売買仲介を行ってきたのですが、毎年ゼロからのスタートで、蓄積されたものが何も残っていないと、ある時ハタと気づいたそうです。
そこで不動産のフランチャイズチェーンに加盟し、その指導に従い管理物件を増やしていきました。

しかしそう簡単に管理物件が受託できるわけではありません。
そこで他の業者では嫌がってやりたがらないクレーム物件などを積極的に取扱い、管理物件を増やしていきました。
普通の管理物件の10倍くらいのエネルギーを使ったのではないかと推測されます。

管理が軌道に乗った頃にマンスリーマンションを徐々に始め、これが好調で収益の柱になってきました。
ところが東北大震災の後、ガクッと需要が減少してしまいました。
マンスリーマンションは借りて運用しているので、稼働率が一定以下になると赤字が出てしまうのです。
どうしようかと悩んでいた時、セミナーで「会社の業績は社長の考え方次第でどうにでもなる」との話を聞き、心境が一変したそうです。

管理物件やマンスリーマンションのオーナーに物件の売却の提案をしていったところ、何人ものオーナーから売却の依頼を受けることができ、再びまた売買仲介への道を歩み出しました。
今度は以前と比べると、管理物件と言うベースがあるため、売却物件の受託が容易にでき、より楽に仲介業ができたようです。
また以前とは違い、自らが第一線に出て売買仲介を行っているとのこと。

そうこうしているうちにアベノミクスがやってきて、首都圏の投資用物件の売買がブームになりました。
どんぴしゃりの業態だったので、かなり忙しい毎日のようです。
ただし東京の友人によると、最近は業者から業者への売却が多くなり、バブルと言う意味ではちょっと危険な水域に入ってきているのではないかということです。

いずれにせよ、市場の変化に合わせて会社の業態を変えていかなければ生き残りは難しいのだと思います。
拡大路線を突っ走っていた会社が、規模を縮小し出した途端、利益が格段に増えだしたという例をいくつも私は知っています。