不動産事業の変革

サブリースであれ、自前の不動産であれ、自らが貸主とならないと利益率の高い事業にはなりません。
利益率が低い事業で頑張っていると、朝から晩まで忙しいだけで、ちっとも儲からないのです。
仲介業や管理業という既存の不動産業でジリ貧になっている場合、思い切った発想の転換が求められているのではないでしょうか。

売買仲介業を続けてきたけれど、振り返ってみると何も残っていないことに気がついた不動産業の友人がいます。
そこで賃貸管理業に進出したのですが、新しい管理物件を確保するのに悪戦苦闘。
そう簡単には新規の受託は取れないのです。
苦労を重ね、管理物件を増やしていったのですが、今度は社員を増やさなければならず、結局利益は出ず。

そういったことを10年以上やって来た後「マンスリーマンション」のサブリースに進出し、やっと一息つけ、会社にもおカネが残り出したとの話を聞いたことがあります。
マンスリーマンションは「人手が少なくてすむ累積経営」の一つ。
ほかに「コンテナ倉庫」や「コインパーキング」や「シェアハウス」などの事業があります。

不動産仲介業は受託が命です。
「専任なくして契約なし」という言葉がありますが、ハデな客付け業務ばかりに目が行っていては業績が安定しないのです。
また高額な広告費をかけていては、これまた資金繰りが持たないのです。
コンサルティングの技能を高め、コンサルティングを絡(から)めて受託し、好業績を上げている人を知っています。
いいコンサルティングをしていくと、宣伝もしないのに人づてにどんどん案件が舞い込んでくるようです。

自社でいったん売買物件を買い取り、付加価値をつけて転売する方法もあります。
ただしこの場合、不動産の目利きがとても大切で、目利きを失敗する大きなヤケドを負うリスクがあります。
また不動産価格が下降気味の局面は、非常に利益が出しにくく、これは株でも同じだと思います。
不動産市場の上昇局面で腹いっぱい購入し、下降局面になると一挙に資金繰りが悪化して破綻するというケースを何度も見てきました。
よほどの不動産の達人でないと、リスクが大きすぎるかもしれません。