大きくするか、小さくするか

日本電産の創業者の永守重信さんと、ニトリの創業者の似鳥昭雄さんとは、1944年生まれで同じ年齢だということを知り、ちょっと意外でした。

 

お二人とも今の日本経済を代表する名経営者であることは間違いがないでしょう。

 

日本電産は外部からスカウトした後継者がなかなかうまく定着せず、時たまマスコミを賑(にぎ)わしています。

 

一方、ニトリの方では後継者問題は全然話題になっていないのも不思議です。

 

一代であまりに会社を大きくしてしまうと、その子供たちの能力では継げる容量を超えてしまったり、生え抜きの社員の器では収まり切れなくなったりする現象は当然起こりうることです。

 

ある介護施設の経営者は、いわゆる「仕事がデキる」人で、どんどん施設の数を増やしていきました。

 

ところがなかなか右腕となる人や後継者が育たず、また借入金も膨らんできたので、施設の3分の2を、同業の大手上場企業に売却しました。

 

自分は引退せず、あとの3分の1の施設の経営は引き続いて行っています。

 

全部をM&Aで売却してしまわないで、生きがいを持って悠々と経営していける分を残しているというのがミソで、とても頭のいいやり方だと思います。

 

ある居酒屋チェーンの経営者は、親から(赤字のまま)引き継いだ15ほどの店舗を立て直し、3店舗だけ残して、あとは事業譲渡(他社に売却)してしまいました。

 

15店舗だった時よりも、たぶん利益が出ているのではないかと感じます。