大企業の失敗

優秀な学生を選択し、資金力にも優れた大企業ですが、そんな大企業にも危機が訪れることがあります。
日本電産永守重信さんと言えば、いま日本を代表する名経営者ですが、その永守さん曰(いわ)く「会社には10年に1度ピンチが訪れる」。

あのトヨタ自動車でも戦後に潰れかかったことがあるのです。
ちなみに、その時の住友銀行の冷たい対応を忘れず、その後のトヨタ住友銀行と一切取引をしなかった話は有名です。
トヨタ自動車のメインバンクは三井銀行でした。
その三井銀行住友銀行と合併した今は、三井住友との取引は当然あります。

シャープやパナソニックは一時期潰れる可能性すらあると言われていました。
パナソニックは復活しましたが、シャープは反撃の糸口がつかめず、結局は台湾企業の傘下に入ることが決定しました。
中国企業の傘下でなくてよかったとは思いますが、今から思えば「亀山モデル」とか言っている時がピークだったわけです。

東芝も最大級の試練を迎えています。
東芝に関する本を読むと、今の凋落の原因は経営陣の内紛に尽きるようです。
粉飾決算なので言い訳は通用しませんが、ゴーンさんのような傑出した経営者が出てこない限り当面の復活は難しい気がします。
今のところ東芝の株を買うという理由が見つかりません。

三菱自動車のデータ不正が公になりました。
3回目の不祥事です。
昔、ミラージュに乗っていたことがあるのですが、その運転の楽しさと言ったらありゃしませんでした。
3回目の不祥事はさすがに「スリーアウト・チェンジ」で市場に残ることは許されないのではないかと感じます。

燃費詐称していた軽自動車の売上が半分になったとの発表がありましたが、逆にまだ半分も売れているのが不思議です。
「三菱」と言えば堅実なブランドイメージがありますが、フォルクスワーゲンといい、誤魔化さなくても十分やっていけるのに、なぜそんなことをしたのかがスゴク疑問です。

三菱重工が豪華客船を受注・建造しているのですが、請負金額が1,000億円なのに、製造原価が2,300億円。
私も経験がありますが、赤字の仕事なんて全然面白くないのです。
しかも1,300億円もの大赤字…。
三菱重工でなければ、当然経営危機に陥っているはずです。

日本を代表する大企業でも、こんな失敗をするのだから、中小企業がいちいち失敗に落ち込まなくてもいいということになりますが、要は失敗が致命傷になってはいけないということなのでしょう。