「年輪経営」という思想があり、年輪を刻むように年々少しずつ大きくなっていき、やがては大木になろうというものです。
その場合、最も慎むべきは「急成長」。
急成長の後は必ず歪(ひず)みが来るのです。
また、急成長して天狗にならない経営者を探すほうが難しいでしょう。
調子に乗って新しい工場を建てたり、人員を急拡大したりした時点でブームが去り、あとは多額の借入れと、高くなった損益分岐点だけが残るというパターンはどこでも何度でも繰り返されています。
フリーキャッシュフローこそが最も大事で、そこに経営の焦点を合わせるべきだというのは、私にとっては一種の悟りのようなものでした。
そうすると見返りのないキャッシュアウトをなくさなければなりません。
見返りのないキャッシュアウトには「税金」や「借入れの利息」や「借入れの元本返済」があります。
これらにお金を費やしても、ひとことも「ありがとうございます」と言ってもらえることもなければ、次の売上につながるということもありません。
本気で節税を研究すべきだと思うし、安易に借入れをすべきではないとも思います。
フリーキャッシュフローで手元にお金が残っていっても、美術品の収集などをしだすと、目に見えてキャッシュが消えていきます。
ひたすら次の不動産投資のために貯金していくべきだと思っています。
もう一つ、お金や時間がかかり過ぎる趣味も慎もうと思うのです。
ゴルフには何ら悪意はないのですが、私にとっては時間がかかり過ぎる社交スポーツで、たぶん生涯ゴルフクラブは握らないはずです。
高級時計や別荘やクルーザーやプライベートジェットには、ほとんど興味がない自分がおり、その点、安心しております。