キャッシュフロー

売上から原価を引いたものを粗利益と呼びます。

ところが手数料商売の場合、いきなり粗利益から始まるわけです。

同じ不動産業でも建売などをやっていると、売上とその原価が決算書に出て来るのですが、不動産の仲介手数料や管理手数料は粗利益スタートです。

私は28歳の時に今の会社をこしらえ、ほぼ40年間経営しているのですが、その間、ほとんどが手数料商売でした。

また経費には固定費と変動費があるのですが、変動費を無視し、固定費だけを考えればいい事業を(たまたま)やってきました。

当社の今のメインであるコインパーキング業や不動産賃貸業は、経営的にも会計的にも実にシンプルな(ストック)ビジネスです。

おまけに売掛金もなく、受取手形もなく、在庫(棚卸資産)もなく、ついでに借入れもないので、これで経営できないのはアホであります。

私の場合、ややこしく難しい事業は頭がついていかないのです。

40年間商売をしてきて、最も大切なものはキャッシュフローだと最近気がつきました。

コロナのような「まさか」が来た時でも、手元に現金があればドンと構えておられます。

話はちょっと飛ぶのですが、アマゾンはキャッシュフローが抜群の企業です。

株主報告書でも、普通はB/S、P/Lと来て、そのあとにC/F(キャッシュフロー計算書)が出て来るのですが、アマゾンの場合はいきなりC/Fが出て来るのだそうです。

アマゾンの場合、モノを売って先に現金が入って来て(ネット決済)、あとでゆっくり仕入れ先に代金を支払うという「サイト勝ち」がシステム化されているのでしょう。

アマゾンのネット販売の利益率は驚くほど低いのですが、実はクラウド事業がアマゾンの稼ぎ頭とのこと。

コンピューターの計算余力を企業に貸して利益を上げるビジネスモデルなのだそうです。

これからはアマゾンに対抗するかよりも、いかにアマゾンを活用するかを考えた方がいいのかもしれません。