ご祭神

神社には必ず「祭神」が祭られています。

主祭神のほかにも別の神々が祭られていることも少なくありませんが、たいていは主祭神とご縁のある神々です。

神社にお参りに行く時、ご祭神に関する知識があると、神社めぐりが数倍楽しくなります。

神々の世界にも系列のようなものがあり、例えば伊勢系と出雲系の神々が同じ神社で祭られることはほとんどありません。

伊勢系の天照大神(アマテラスおおみかみ)と、出雲系の須佐之男命(スサノオのミコト)とは、姉・弟の関係でありながら、一緒にお祭りされているところは出雲の日御碕(ひのみさき)神社ぐらいしか私は知りません。

また天照大神と出雲系の大国主命オオクニヌシ)とが一緒にお祭りされている神社は寡聞にして存じ上げません。

神道では女神さまたちの存在感が大きいのです。

ここがキリスト教や仏教と違うところ。

神社の中で最高に格の高い伊勢神宮の内宮の主祭神天照大神という女神さまだし、外宮の主祭神豊受大神(トヨウケのおおみかみ)という女神さまです。

宗像(むなかた)大社や厳島(いつくしま)神社には、田心姫神(タゴリヒメ)、湍津姫神タギツヒメ)、市杵島姫神イチキシマヒメ)という三姉妹がお祭りされています。

また富士山の神さまの木花咲耶姫(このはなさくやひめ)や、竜宮界の豊玉姫玉依姫も女神さまです。

心が美しく透明でなければ“そもそも”女神にはなれず、心の状態がそのまま外面に現れるのが神さまの世界なので、女神さまたちは輝くばかりの美しさであることは間違いがありません。

天照大神から6代目の子孫が初代神武天皇で、そこから126代の天皇が連綿と続いているわけですが、その系統に敵対した人たちの神社というのはありません。

例えば長髄彦ながすねひこ)神社や、クマソ神社や蘇我神社といったものは当然ながらないのです。

卑弥呼神社がないのも、昔から不思議に思っていたことの一つです。