決算書を見る その2

決算書に出て来る利益には5つあって、「売上総利益(粗利)」、「営業利益」、「経常利益」、「税引き前純利益」、そして「当期純利益」です。

ところが借入れをしている場合の元金の返済は、その最後の「当期純利益」から支払わなければならず、それを忘れていると一気に資金繰りが苦しくなります。

元金の返済は「P/Lのどこにも出て来ない」のであって、それに気がついたとき、私も一瞬「虚をつかれた」感じがしました。

経営においては手元流動性が一番大事ではないかと思います。

15年に1度ほど、リーマン・ショックやコロナ・ショックのような大ショックがやってきます。

リーマン・ショックは2008年の夏に起こったのですが、2006年の年末には日本でも不動産市況におかしな雰囲気があり、何となくショックが来るのが分かっていたようなところがありました。

が、コロナの場合は、世界中のだれもが予想しえなかったことではないかと思います。

従ってリーマンよりも質(たち)が悪いのですが、こんな時でも潤沢な手元資金を持っているところはビクともしません。

いつの時代でも日銭の入ってくる商売は強いとされていたのですが、今回は日銭商売の代表の飲食業やホテル業が悲惨な状態になっています。

お客さんが「消滅」したわけですから、これはもう、どうしようもないわけです。

同じように、いま航空機会社の社長を経営的に務められる人は、世界中で1人もいないのではないでしょうか。

減価償却はフリーのキャッシュを残す大きな味方です。

が、土地は減価償却されないので「借入金で土地を買う」なんていうのは、経営的に見た場合「狂気の沙汰」なのかもしれません。