不動産の装置産業

会社経営などをしていると、単純に「上り坂」ばかりということは決してありません。

 

当然「下り坂」の状態のときもあるし、また「まさか」が来ることもあります。

 

40年間ほども不動産会社を経営していて、たいていは苦しく、2勝6敗2引き分けくらいの成績ではなかったかと思います(倒産していないだけでもマシではありますが)。

 

売買仲介業だと安定した数字が読めないし、分譲業だと市況の波に翻弄されます(倒産のリスクが一番高い業種だと思います)。

 

賃貸管理業はストックビジネスですが、クレームやトラブルに心休まる時がありません。

 

不動産業ではオーナーになるのが一番儲けが大きく、また自分の意思が反映できます(むろんリスクも大きいのは言うまでもありませんが)。

 

今後、自分の能力や体力が落ちてくるのを考えると、少人数でもできるストックビジネスしか事業の選択の余地がないと考えました。

 

かといって不動産業から大きく外れた「土地勘のない」業種に手を出すのは難しいし危険です。

 

従って不動産業での装置産業ともいうべきコインパーキングやコインランドリーを始めたというわけです。

 

これなら少人数のスタッフで運営していけそうです。

 

借入れをしてまで利益が出る業種でもなく、また最初はいいのですが、途中から元本返済額が減価償却費を超え、手元流動性が悪くなります。

 

そこで、やるなら無借金で、蓄積したキャッシュで投資すべきだと考えました。