歩く禅

「階段トレーニング」を初めて半月経ちました。

三日坊主にならずに、これであと30年続ける自信が出てきました。

全部で97段ある階段を10往復昇り降りするだけの運動ですが、汗ビッショリになり、下半身の劣化を防ぐ運動としては最適だと思っています。

今までの私だと、ちょっとうまく行きだしたなら、すぐに回数を増やそうとしていました。

少しぐらいならいいのですが、段々と負荷が増えていき、続けるのが鬱陶(うっとう)しくなってくるというパターンです。

「今後も一切、回数を増やさない」と決めるとホッとして、実際に歩いているときも(余計な気持ちの負担がかからず)とても楽しいのです。

今は夏ということもあり裸足で歩いているのですが、石のタイルが足裏に心地よく、足裏のツボに刺激が伝わるのが分かります。

「回数を増やそうとしない」というのは、大袈裟でなく、私にとっては一種の「悟り」で、「もっと、もっと病」から解放された瞬間でもありました。

「早く動こうとしない」も決めたことの一つです。

ゆっくりと味わいながら歩いていくと、ちょっとした瞑想状態となり、私はこれを「歩く禅」と呼んでいます。

これも以前の私なら「少しでも早く!」と気持ちを急(せ)かしていたことと思います。

屋内での運動なので、いつでもでき、しかも安全で、料金もゼロです。

「こんなにいいことを、どうしてもっと前からやらなかったのか?」という疑問はモットモですが、物事を始めるにはそれに相応(ふさわ)しい時期が自ずとあるということなのでしょう。

いろんな条件が満たされ熟成したところで、ずっと以前から願っていたことが実現していくという経験を何度もしています。

今回もその一つに違いありません。