「やらないこと」探し

経営や生き方において「何をやるか」を決めるこ
とは重要ですが、「何をやらないか」を決めるこ
とも、それに劣らず大事なことだと思います。

「何をやるか」と「何をやらないか」を決めた人
は、かなりいい人生になると思うのです。
(まわりを観察していても、そう思います)

私は不動産会社を経営していますが「建築には
手を出さない」と決めたことは大正解でした。

建築までやろうとしたら、私自身の時間も全然足
らなくなっていたし、経営資源を分散させてしまっ
ていたようにも思います。

仲介や管理でも「宝塚市を1歩も出ない」と決め
たおかげで、密度が濃い営業ができました。

プライベートな面で言うと、ゴルフをしないのは
大正解でした。
ゴルフは時間を食う「タイム・イーター」です。

実のところ、少しやり始めたこともあったのです
が、バブルの最中のゴルフコンペで、第1打を打っ
たあと「あっ、こんなことをして1日潰してはい
けない!」と恐怖のような気持ちに襲われ、それ
以来、ぷっつりとやめました。
(いずれにせよバブル崩壊で、早々ゴルフどころ
ではなくなっていたと思います)

今はビジネスの「次の一手」を懸命に探している
のですが、探している間に「これには手を出さな
いでおこう」というものを、いくつか「発見」しまし
た。

まずは「海外投資」。
ウォーレン・バフェットは自分が分からない株に
は投資しないという哲学を持っていますが、不動
産だって同じことで、自分が分からない場所での
投資は控えるべきだと思うのです。

海外に投資する労力やリスクを考えると、国内で
「土地勘」のある所に投資する方が、よほど低リ
スクで効率的ではないでしょうか。

ある税理士さんが本で書いていたのですが、海外
で不動産を買った顧問先には、すべて税務署がやっ
て来たそうです(これも煩わしいですね)。

いろいろと研究していて「やっぱりやめた方がい
い」と思えるものがもう一つあります。
それは民泊。

単なるAirbnbではなく「旅館業法の許可を取って
やるべきだ」というところまでは分かったのです
が、猛烈なホテルの建築ラッシュが続いています。

ホテルが民泊と競合するのは間違いがありません。

インバウンドの勢いがこのまま続き、供給過多と
はならないにしても、いずれホテルの方が優勢に
なるような気がするのです。

従って今のところ、民泊も「やらないこと」の中に
入りつつあります。