「何をしないか」を決める

「何をするか」を決めるよりも「何をしないか」を決めるほうが、仕事面でも生活面でも余程大切ではないかと思います。
当社は昔から会社の営業エリアを宝塚市内と決め、「宝塚市から一歩も出ない」と決めていました。
多分ランチェスターの法則の影響だと思います。

宝塚市内にこだわった営業戦略はとてもよかったと思っています。
それでもバブルの時に、一度東京に出ようとして大失敗したことがあります。
今では営業エリアを「宝塚市」ではなく、もっと小さく絞り「宝塚駅から歩いていける範囲」にしたいとも考えいます。

「建築をしない」ことも決めていました。
これもよかったと思うのです。
不動産業だけで精いっぱいで、とても建築にまでエネルギーを割くことは出来なかったのも事実です。
建築はモノづくりの世界です。
販売と製造とは、考え方もスピードも違い、一人の人間が両方を見ることは出来ないと感じています。

趣味の面でも「ゴルフをしない」と決めたのは正解でした。
社交という意味では大きなマイナスも当然あったと思いますが、それ以上にゴルフをしないメリットがありました。
1日費やしてしまうスポーツは何と言っても時間が勿体(もったい)ないのです。
ゴルフに行っている間に勉強が出来るし、本が読めるし、もちろん仕事だって出来ます。

会社の事業で「マンスリーマンション」を行っていた時期があります。
フランチャイズチェーンにまで入ってやっていたのですが、結論から言うと大きなマイナスでした。
経営資源をマンスリーマンションに割かずに、普通に賃貸仲介をしていたら、もっと大きな収益が得られたと思います。

今、やらないと決めていることは「海外投資」。
一種のブームなのですが、私は手を染めずに行こうと思っています。
海外投資だって相当に勉強しなければ成功しないと思うのです。
国内への投資だって大変なのに、海外などその10倍は難しいはずです。
海外投資の勉強をする時間を、もっとほかの勉強に充てたいと考えています。

いずれにせよ、自分がピンとくる事業しか成功しないし、そもそも「やる気」になりません。
自分が好きなことや得意なことだけに集中し、あとは一切目もくれないというのも「あり」だと思うのです。