強くなって当たり前

ある上場企業に勤める52歳の人の預金額が
何と3万円しかなかったという話を、フィナンシャル・
プランナーの本で読みました。
高収入でハデな業種で働いている人に多いパターンです。

ポツンポツンと一滴ずつしか落ちなくても、
下にバケツを置いておれば水は必ず溜(た)まります。
一方、ザーッと勢いよく水を流しても、ザルのカゴでは
水は全く溜まりません。

宵越しの金は持たないという生き方もあるかもしれませんが、
やはり一定の貯えがないと、心も生活も将来も安定しないのです。
投資だって種銭(たねせん)がないと前に進みません。

一方、どういう人たちと付き合っているかによって、
その人の成長が大きく違ってくるというのは興味深い現象です。

仮に年収で言うと、年収500万円の人たちの中にいると
500万円の発想と行動形態が生まれます。

1,000万円なら1,000万円の、3,000万円なら3,000万円の、
5,000万円なら5,000万円の、そして1億円なら1億円の考え方や
行動があるわけです。

年収1億円の人がそれに満足して「井の中の蛙」でいるならば、
決して年収3億円や5億円の人たちの世界はわからないのです。

私は学生時代柔道をしていたのですが、同じ初心者でも、
たまたま強いチームに入るとすぐに強くなり、
弱いチームだとあまり強くならないということを知り
不思議に思っていました。

六段以上は名誉段なので、五段が実質一番強いのですが、
柔道三段や四段や五段の人たちがゴロゴロいるチームだと、
柔道に対する姿勢や取り組み方や考え方が肌で感じられ、
「強くなることへの抵抗感(心のブレーキ)」がなくなる
からではないかと思います。

「強くなるのは当たり前」の風潮の中にいると、当然ながら
強くなるということであります。
同じように、成功者たちとお付き合いしていると、
「成功して当たり前」という感覚が出てくるのかもしれません。