個人投資家

個人による不動産投資が一種のブームになっています。
その手のセミナーも満席のことが多いようです。
が、やっぱり気を付けなければなりません。

年収2,000万円ぐらいある、勤務医や外資系に努めるビジネスマンの人たちが、不動産投資を行い破たんするケースが少なくないようです。
例えば、物件の総額でいうと10億円分ぐらいを次々と購入していきます。

購入後、空き室がなかなか埋まらなかったり、あるいは逆に空き室が増えていったりして、ローン返済分を家賃収入で賄えなくなってきます。
遂には月100万円ほどを追い足していかなければならなくなり、そうなると数ヶ月で完全にお手上げになります。

私も本業が不動産屋なので、いくつか収益物件を所有しています。
が、それは30年以上かけて買い集めてきたもので、いま時点での負担はほとんどありません。
個人の投資は時間を味方にしていかないと危険なのです。

個人投資家の本もたくさん出ていますが、書いてあるように投資していくと、破滅への道を歩んでいくのではないかと思われるものも多いのです。
ボロ物件や古い物件や地方郊外物件を好んで購入していく人もいますが、そういう物件は“やはり”リスクが高いのです。
空き室リスクであったり、滞納リスクであったり、あるいは修繕リスクが出てくる確率が大きく、またいざ売ろうと思った時に流動性が低くて、なかなか売れないということも考えられます。

本やセミナーで有名になったカリスマ個人投資家も少なくありませんが、その人たちが10年後にも同じように投資で成功しているかどうかはかなり疑問です。
本を読んでいる限り、ちょっとムリをしていたり、あるいは“やや”大げさに書いていたり、あるいは書いてある内容が(プロから見れば)幼稚だったりするからです。

私も不労所得はゼッタイ必要だと思っているので、投資自体を否定するつもりは全くないのですが、そこにはいくつかのクリアすべき条件があるのも事実です。
自己資金の割合が高い方が破たんの確率が低いのに決まっています。
できれば全額自己資金がベストです。
またボロ物件や、あまりに田舎の物件はやめた方がいいと思います。
もし私自身が不動産投資をするなら、地元の宝塚か、あるいは東京の港区に限定したいと思っています。