捨てれば浮かぶ

モノを捨てるということを知ってから、人生が豊かになりました。
「もったいない」という言葉を世の中の人は間違って使っているように感じます。
永遠に着ることのない服を「もったいない」からといって大事にしまっていては、余計なスペースが占領されてしまって余計に「もったいない」のです。

私は「1日1捨て」を提唱しているのですが、捨てに捨てていると、残ったものは「お気に入り」のものばかりになります。
お気に入りに囲まれて生活するのは実に快適なのです。
ただ、家で捨てるものは自分のモノに限られます。
うっかり家族のモノにまで手を出し、捨て去ってしまうと大喧嘩になります。

その点、会社は楽ですね。
創業者であり、社長である私が、捨てる権限をすべて握っています。
というか、トップである私が捨てる決断をしなければ、不要書類や不用備品が永久に温存され、高い家賃のスペースを我が物顔に占領しているということになります。

今はネット通販が発達しているので、捨ててしまったものが仮に必要になったとしても、すぐに買い求めることができます。
アスクルは「明日来る」ところから名づけられたと聞いていますが、今や「明日」どころか「今日」来るネットサービスが目白押しの時代となりました。

従って「捨てすぎる」心配はもうしなくていいのです。
1年間全く使わなかったモノや書類が再び必要となる確率は1%なのだそうです。
会社でも法定保存期間が定められた書類以外は、結構安心して捨て去ることができるのです。

もっと言えば、ネット上で保存できる書類を、紙媒体で保存しなければいけないと規定する法律の方が時代遅れになっていると言えます。
年末の大掃除の時は、捨てて捨てて捨てまくろうと思っています。
来年は事業自体も大転換する予定なので、余計に躊躇(ちゅうちょ)なく捨て去っていけそうです。

近藤麻理恵さんは、洋服を処分する時「ときめくか、ときめかないか」で判断するように指導していますが、それは洋服だけに限らず、すべての分野で言えそうなのです。
仕事でもモチベーションの上がる仕事と、そうでない仕事とがあります。
後者はもうカットしてしまえばいいのではないでしょうか。

還暦過ぎたら、好きなことや得意な分野だけをやっていけばいいのだと感じます。
だからこそ60代は「青春時代」ならぬ「黄金時代」なのであります。