不動産は「金融商品」になった途端、大化けする

関西と比べると、東京の不動産価格はいかにも高いと感じます。
しかしながら欧米の大都市と比較すると、東京はそんなに高い方ではないのです。

例えば東京のマンションを5,000万円だとすると、同じようなマンションがニューヨークなら2億円、パリなら1億5千万円、サンフランシスコ1億2千万円、ロンドン1億2千万円、フランクフルト6,000万円、シドニー5,500万円、バンクーバー5,400万円となります。
そのほか東京より安い都市が、オークランド4,900万円、ホノルル4,750万円、ベルリン4,700万円と続きます。

ではアジアの大都市は東京より安いのかと言えば、そんなことは全くなく、ちょっと信じられない数字が出てきます。
例えば東京の戸建てを8,000万円だとすると、北京は2億5千万円。
人件費や一般の物価で比較すると、北京は東京の3分の1くらいでしょうか(庶民対象の物価はグンと安くなると思いますが)。
それから言えば到底信じられる数字ではありません。

もっとすごいのがシンガポール
シンガポールの物価は東京と同じくらいに感じられますが、東京の住宅が8,000万円とすると、シンガポールは何と8億円!
シンガポールは富裕層の天国と言われますが、シンガポールで不動産を購入するのは並大抵のことではありません。

もう少し比較を続けると、北京は2億5千万円で、やっぱりバカ高いですね。
空気も水も汚染まみれの場所で、どうしてこんなに高いのか不思議です。
香港は1億5千万円。
逆に香港は意外に安いという感じがします。

上海が4,000万円。
東京の半分です。
これも思っていたよりも安い印象があります。
というか、北京は上海よりも5倍以上高く、そちらの方が異常な気がします。

ソウルは2,500万円、台北は2,100万円、クアラルンプールは800万円、バンコクは650万円となります。
この辺になると妥当な価格となり、なんだかホッとします。

こうしてみると、不動産が一種の金融商品になった時、本来の「住む価値」を超えて、新しい相場が形成されていくことがわかります。
バブルと言えばバブルなのですが「価値創造」が行われたとも言えます。
ここのところが分かるかどうかが、不動産を取り扱う者にとって大きなポイントであるに違いありません。
不動産は金融商品になった途端「大化け」するのです。