2012年を考える その1

マヤ暦の預言はともかくとして、2012年は世界経済や軍事、政治にとって、かなり激動の年になりそうな気がします。
まずは中国経済バブル崩壊
リーマンショック以降、中国経済は日本円にして約50兆円もの財政支出を行い、経済成長率8%堅持を目指しました。
結果、中国経済は好況をキープし、世界経済での「一人勝ち」の様相を呈していました。

しかしここにきてインフレが中国経済を襲っています。
また不動産投資が過熱し、何かのきっかけでバブル崩壊へと向かう時期に差し掛かっています。
実際、もうバブルは潜在的には崩壊していると考えられるのですが、それが顕在化するまで、もう少し時間がかかるかもしれません。
いずれにせよ、2012年にはハッキリするはずです。

昭和末期の日本のバブル崩壊では、不動産、株、絵画、そしてゴルフ会員権などの資産バブルが2年ほどかけて5分の1以下になりました。
従って2割ほど下がった時点で「これは安い」と飛びついた人は、そこからまた損をしたわけです。
不動産を例にとれば、住宅地は5分の1でしたが、商業地は10分の1になりました。
実需を無視した過熱投機の部分が多かったものほど、その落ち込みも大きくなっています。
ゴルフ会員権や絵画も10分の1以下になったのではないでしょうか。

日本列島全体が投機の賭場となっていた感がありますが、しかしながら日本では日常生活でのインフレはありませんでした。
中国では食料品の価格上昇が続いています。
上海などの物価は、もう東京と同じぐらいなので、上海からの観光客は東京の物価には驚かないそうです。
ちなみに北京や上海のマンションの価格は、少なくとも日本の関西圏の価格を超えています。
年収が日本の3分の1から10分の1ぐらいの国で、こんな高いマンションを誰が買うのかと思うのですが、これが売れに売れたわけです。

中国政府の財政支出のおカネが民間に回った時点で、企業も個人もそれを不動産投機に振り向けました。
東京で不動産業を営んでいる友人の話なのですが、ある中国人女性がマンションを購入してくれたそうです。
その女性いわく「自分のお金は手元に置いておき、今は借りるだけ借りて不動産に投資したい」。
日本のバブルの時とそっくりです。
日本人はバブル崩壊で痛い思いどころか死ぬ思いをしたわけですが、中国人は未経験。
その差が行動パターンの差となって現れているのでしょう。