中国・成都への旅 その3

結局ホテルの部屋に入ったのが、夜の12時前。
お風呂に入り、部屋の冷蔵庫からビールを2本飲んで、あとは熟睡あるのみ。
シャングリラホテルに泊まったのですが、この名前がついたホテルも期待を裏切りません。
始めていく旅先で、いいホテルに当たると、実にホッとするのです。
つい先日泊まったベルギーのホテルとは比べ物にならないぐらい上質の空間でした。

次の日は知人(中国人留学生)とホテルのロビーで午前10時に待ち合わせ。
15分前に降りて行ったのですが、もう待っていてくれました。
しかも彼女のお父さんが車を出して案内してくださるとのこと。
まことに恐縮。
お父さんは59歳で、私よりも1年年上。
先輩だと思って甘えることにしました。

成都は2006年頃から、急に不動産価格がアップしたのだそうです。
マンション価格は1㎡15,000元ぐらい。
計算がややこしいのですが、1元は約12円。
日本円に直すと、180,000円。
仮に75㎡のマンションだと1350万円。
日本の新築と比べると半分ぐらいの価格でしょうか。
しかし成都の年収は、日本の10分の1。
1,300万円だと、1億3千万円ぐらいの感じになります。

成都のマンションも販売好調だったのですが、これは地元の人間が買ったというより、温州商人(中国のユダヤ人とも呼ばれる利にさとい人たちです)や成都周辺の富裕層が購入したようです。
成都は消費が盛んな地域で、クルマの販売量も上海、北京に次ぐのだそうです。
「宵越しの金は持たない」的な風潮があるのかもしれません。

成都は実は三国志の蜀の国。
劉備玄徳や関羽張飛諸葛孔明が活躍した地域でもあるのです。
四川料理で有名なように食べ物も豊富で、だからこそ劉備玄徳がここに国を構えたのだと思います。
今でも成都は「住みやすい街」として有名なのです。

知人の中国人留学生とそのお父さんが話す会話は「成都弁」。
私が中国語をかじっていると聞くと「じゃあ二人の会話を中国標準語にしましょうか」。
それぐらいの感覚で、普通の中国人は方言と標準語を使い分けているのでしょう。
ちなみに中国標準語とは、もともとハルビンあたりで使われていた言葉だそうです。
黒龍江省ハルビンが首都)の人たちは、わざわざ中国標準語を学ぶ必要がないということになります。

お父さんが私に説明し、それを中国人留学生が訳してくれるのですが、1カ所だけ完璧に分かったのが「ここは金融街です」との説明のところ。
漢字で書けば「金融中心」で、中国語でも「キンユウ・チュウシン」と発音するのですね。一つでも言葉が分かるとうれしくなります。