私の予言は時間がかかる

いわゆる90年バブルと言われる日本のバブルは1989年がピークでした。
私は30代前半で、すでに不動産会社を経営していたので、その雰囲気は”とても”よく分かります。
またバブル崩壊も身をもって経験しました。

従って例え他国の話であっても、バブルの匂いは肌で感じるし、同じようにバブル崩壊の前兆にも気が付きやすいのです。
私自身はバブル崩壊のあとの苦闘にはもうコリゴリなので、今はもうバブルを追っていこうという気持ちはなく、その分、より客観的に観察できるように感じます。

リーマンショックは2008年でしたが、その前の10年ほどは世界的にバブルでした。
日本では東京の一等地の地価やビル価格が異常に値上がりしましたが、それ以外の地域はバブルの恩恵にも浴さず、下がりっぱなしでありました。

その東京でも2006年後半には「あれっ?、あれだけファンドが熱狂していたのに、ちょっと様子が変だぞ」という不動産業の知人の声を聴いた覚えがあります。
その時点でバブルから降りた人は一財産残し、そのまま突っ込んでいった人は塗炭の苦しみを味わったはずです。

アメリカの不動産バブル崩壊も私は予言していたのですが、その10年も前からずっと予言しており「予言が当たった!」と、とても自慢できる代物ではありません。
方向性は当たっていたけれど、時間の幅が大きすぎました。

中国経済の崩壊も予言しているのですが、これもまた10年間は唱え続けています。
今はもう新聞でも中国のバブル経済崩壊の兆しが報道されていますが、5,6年前だと周りは「何を言っているのだい?」といった反応でした。
中国の場合は経済の不具合だけでなく、国家体制の崩壊や国の分裂にもつながっていくリスクがあるので目が離せません。

3年前に会社のスタッフと一緒に上海を視察に行ったのですが「中国はバブル崩壊で大動乱が起こるから、これが当面の見納めだ」と言ったことを覚えています。
それから3年間、私の予言はまだ当たっていないのですが、だんだんとその方向に向かっているような感じもします。