中国のバブル崩壊

リーマンショックは2008年の9月に起こったわけですが、これは一つの象徴であって、これが原因で世界経済が一挙に悪化したわけではありません。
実は2006年頃から、おかしくなる兆候があったのです。

イギリスは15年もの間、好景気が続いていたのですが、この間に不動産バブルが進行しました。
ドイツの不動産広告を、ドイツ語クラスの時に見せてもらったことがあります。
思わず「高いなあ」とつぶやいた記憶があります。
ドイツですらそうなのですから、イギリスともなれば信じられないぐらいの不動産バブルだったに違いありません。
ヨーロッパでは他にスペインやアイルランドの不動産バブルもスゴかったようです。
スペインはヨーロッパのリゾート地として、またアイルランドは高い経済成長率につられて不動産価格も上昇しました。

バブル経済が続いていると、バブル崩壊の兆しにはなかなか気がつかないのです。
昭和最後の日本のバブル崩壊の時でも、ある人から「下関へ行った折、高級魚が売れなくなっているとの話を聞きました」とのハガキをいただいたことがあります。
その時はまだまだバブル真っ最中の感覚がある時期でした。
不動産においても、何かしら変な胸騒ぎがしていたのですが、そういったシグナルを私は無視してしまった苦い経験があります。
バブル崩壊の局面になると、一瞬の判断の遅れで、不動産業では1億円ぐらいはあっさりと損をするのです。

今回、中国のバブル崩壊がもう既に始まっています。
これに気がついている人は、世界的に見てもまだまだ少ないと思うのですが、事実は事実。
中国の銀行の貸し付けの大半が不良債権になる可能性があります。
そこまでは日本のバブル崩壊と同じなのですが、いま中国では猛烈に消費者物価が上昇しています。

賃金は日本の3分の1(北京や上海などの沿岸部)から10分の1(成都などの内陸部)なのに、物価は日本とかわらない状態になっているのです。
これでは生活が出来ません。
国民の目を外部に向けさせるため、何らかの軍事的行動を近隣国に向けて行ったり、暴動や動乱が起こったりするリスクが中国にはあります。
そういった場合、日本も影響を受けないわけがないのです。