借入金をゼロにすべし

まとまった仕事をするには、まとまった時間が必要なことに、最近になって(というか、この年になって)気がつきました。
時間を細切れにしてしまうと「いい仕事」が出来ないのです。
自分が営業の第一線で頑張っているときは、とにかくスピードと数をこなすことに一生懸命で、心落ち着けてじっくりと仕事をやっていくというリズムではありませんでした。
バタバタと契約のために走り回り、成功したり失敗したりしながら、あっという間に二十数年を過ごしてしまいました。

今は「累積経営」を心がけています。
毎月、あるいは毎年積み上がっていく経営方法です。
例えば仲介業は毎月ゼロからの出発となります。
上手くいかなければ焦るばかりだし、テクニックは熟練するかもしれませんが、精神的な向上は置いてきぼりのことが多いのではないでしょうか。

収益不動産をコツコツと少しずつ増やしていくならば、毎月の売上の動向に捉われることもあまりなく、安定した経営ができるわけです。
固定経費が安定収入で賄えるのが理想で、その場合仲介収入がそのまま利益となります。
安定収入が固定経費よりグンと大きくなれば、もうまさに「不動産オーナー業」の世界に入ります。

この場合、借入金が多いとあまり「安定経営」とは言えず、むしろちょっとヤバいB/Sとなります。
私は2012年前後を世界経済のボトムだと見なし、この前後5年間は世界的に非常に厳しい経済状態になるとみています。
これを乗り切る会社にするには、一言で言うと「借入金を極力減らすこと(できればゼロにすること)」に尽きるのではないでしょうか。
上場会社の場合であっても、財務内容のいい会社しか生き残っていけないように思うのです。
借入金がゼロになるところまで、固定資産を売却すべきだとも思っています。