夢は若さを与える

あけましておめでとうございます。

仮に「思うこと」が何でも実現してしまう世界に住んでいるとしたら、随分つまらないのではないでしょうか。
そう簡単に実現しないからこそ挑戦の意味があるし、やりがいがあるというものではないかと思うのです。
「〜しなければならない」と自分を追い込んでしまうと、とてもシンドイわけですが、目標実現までの過程を十分に楽しんでしまうのが、どうやら人生の醍醐味のような気がするのです。

夢のある人生は楽しいし、夢に向かって努力している人を見ると、こちらまで刺激を受け「やる気」が出てきます。
私はもう2か月で還暦を迎えるわけですが、これからは優秀な若い人たちと積極的にお付き合いしていこうと思っています。
「優秀な」というのがポイントで「頑張っている」という意味も含めて使っているのですが、優秀であれば実際のところ老若男女を問いません。
あまり頑張っていない人とは距離を置かないと、「やる気」も伝わるのですが「やる気のなさ」にも影響を受けてしまうのです。

過去にばかり囚われている人を老人と呼ぶのです。
常に未来志向の人は老人にはなり得ません。
未来志向こそ究極のアンチエージングではないかと思うのです。
未来を失うと、人は急に老け込むからです。

かなり以前の話ですが、国会議員を辞めた石原慎太郎さんと食事をした人がいます(竹村健一さんなのですが)。
その時の石原慎太郎さんは随分と元気がなかったとのことでした。
仕事を失い、燃えるものがなかったからでしょう。
それが東京都知事に立候補し、当選した頃からまた溌剌(はつらつ)さが戻ってきたのだそうです。
今また80歳にして、新しい局面に挑戦しておられます。
隠居生活とは対極をなす生き方こそが、石原さんに若さとエネルギーを与えているのだと思います。

目指すは「生涯現役」なのです。
年も忘れて仕事に打ち込むことこそが最高の幸せ。
アメリカ人の中には早く引退してハッピーリタイアを目指すのが理想の生き方のように思っている人が多いのですが、ハッピーリタイアなんてあり得ないのです。
ソニーの重役をやっていた人が、実際に若くして引退したアメリカのエグゼクティブの友人達とその後会ってみると、多くの人が鬱(うつ)になっていたのだそうです。

老後必要なのは「生きがいのある仕事」と「よき家族」と「サムマネー」。
若い時からきちんと準備しておかないと、老後を迎えたからと言って急には体制が整わないのです。