ギリシャの総選挙

ギリシャの再選挙で「緊縮派」が勝利を収めました。
世界金融にとっても大きな勝利であります。
世界の金融担当者からの安堵のホッとした声が聞こえるようです。
これで当面の混乱は回避されました。
為替相場もユーロ高となり、ギリシャの株式市場も株高へと動きました。

ギリシャは400年間オスマントルコに支配されていたのだそうです。
その間の抵抗運動としてのサボタージュが、いつの間にか本物の「怠け癖」となって骨の髄までギリシャ人に染みこんでいったのかもしれません。
かつての栄光のギリシャは、今のヨーロッパの原点のような存在です。
デモクラシーもここから始まりました。
あの輝いていた民族の、本当に末裔なのかと疑問に思えてくるほどです。

今後のヨーロッパ経済がどうなっていくのかは、この25年ほどの日本経済を見れば予測できるのです。
日本は「バブル崩壊の先進国」だからです。
不動産価格が大幅に下落し、貸し付けていた銀行に担保不足が起こり、企業への貸し渋り(はがし)が起こり、金融縮小が実体経済をますます悪くさせるという悪循環が起こるのです。

日本経済は1989年をピークにバブルが崩壊しました。
1989年は平成元年なので、昭和天皇が亡くなられた年でもあります(ついでに言うならば、松下幸之助美空ひばり手塚治虫などの、各界の超一流の人物も亡くなっています)。
その後23年経つのですが、日本経済はその間ずっと苦しんできたわけです。
また1989年を境にインフレからデフレへと、経済基調がハッキリと転換しています。

バブルとその崩壊の過程は、骨身にしみて覚えています。
私は30歳代前半の経営者だったので、その頃の「空気」が非常によく分かるのです。
私よりも年下の人でその辺の感覚が分かる人は、たぶんいないのではないかと思います。
確か静岡銀行だったと思うのですが、バブルの時に昭和恐慌を経験した長老が社内にまだ健全だったそうです。
不動産への融資をその長老が抑えさせたおかげで、盤石な財務体質が保持できたと読んだことがあります。
私は「95歳までバリバリの現役」を目指しているので、ひょっとしたら将来、そんな「長老」の役割を担うことが出来るかもしれません。