年千冊の読書力 その29

月100冊の本を読むと決めてから1年ぐらい経つのでしょうか。
それまでは年1,000冊(月84冊)を一つの目標としていました。
「目標」というのは大抵達成しないことが多いのですが、こと読書に関してだけは完璧に達成しています。

月100冊は「その気」にさえなれば、意外に読めてしまえるものだという気が今はしています。
全然読めない日もあるので、日に4冊を目途としています。
4冊読むのに、何冊目が一番苦労するかと言えば1冊目なのです。
1冊目が読めれば、あとは比較的スムーズに読んでいけます。
読書もリズム。
リズムが出来ると波に乗ってくるのです。
むろん途中で眠くなり、あっさりギブアップということも少なくありません。

月100冊の読書をしようと決めたのは、今から思えば大正解でした。
月100冊の読書がこんなに力を持っているとは知らなかったのです。
本を読めば何でも書いてあります。
同時代に生きていたとしても、会うことさえ難しい偉人の知恵や心構えを、後世の私がその本を読むだけで、あっさり会得できてしまえるというのもスゴイことです。

孔子のような立派な人にでも「いいこと・悪いこと」が波のように押し寄せてきました。
人生や会社経営において、いいことばかりというのはあり得ないわけです。
しかし例え悪いことがやってきても「君子は乱れず」なのです。
幸不幸に囚われないようにするのが、仏教ならば「悟り」であり、神道ならば「光明思想」。
キリスト教なら「神への全託」となるのでしょう。

経営者にとって、読書は必須事項です。
本を読まない経営者は、一時は勢いがあっても、いつの間にか逼塞(ひっそく)していることが多いのです。
「士業」などの知的職業についている人が本を読まないと、やがて知恵が枯渇してきます。
才能だけで仕事ができるなどと思うのは、大きな間違いなのです。
自分の経験など知れているからです。
人生観や宗教観や世界観は読書で培(つちか)われることが多いと思うのです。
先人や偉人の知恵は宝の山。
宝の山を前にして、手ぶらで帰る愚はないのです。